開発中のゲームに不具合がないかを検証する仕事よ。
どんなゲームでもこのチェックをしてからじゃないと発売できないから、業界になくてはならない存在ね。
ぼくみたいに未経験からでもテスターになれるんですか?
未経験でも可能よ。
ゲームデザイナーやゲームプログラマと違って、テスターになるために必須となるスキルはないの。
だからといって誰でもなれるわけではないけど、このページを読めば次にやるべきことは見えてくるはずよ。
それじゃあ解説、お願いします!
ゲームテスターはゲームデバッガーと呼ばれる場合もあります。
両者を分ける場合、テスターは不具合を見つける人、デバッガーは不具合を修正する人を指すのが一般的です。
企業によっても呼称は変わりますが、この記事ではテスターに統一して解説させていただきます。
この記事の内容
ゲームテスターは不具合発見のプロ
テスターは開発中のゲームをテストプレイして、不具合(バグ)や違和感のある箇所を見つけ出す人たちです。
開発中のゲームには数多くのバグがあります。
PS4やSwitch、Xboxなどのコンシューマだけでなく、スマホゲームやPCゲーム、携帯型ゲームなど、人間が作る以上すべてのゲームで発生します。
これらはゲームリリースまでにすべて発見し、修正しなければなりません。
そのためバグを見つけ出すゲームテスターは開発において必須の存在であり、作品のクオリティを上げるためになくてはならない存在です。
テスターは企業の品質管理部に所属しているわ。
ゲームも含めて様々なコンテンツの品質をチェックするために、各部署と連携して検証を実施していくのよ。
あとは、テストを行う専門の会社も多くあるわ。
開発中のゲームのテストを受注して、お金をもらうかわりに全ての検証を引き受けるということよ。
ゲームテスターの仕事内容
具体的にはテスターの仕事内容ってどのようなものがあるんですか?
大きく分けて下記の3種類があるわ
- 検証
- 報告
- 修正確認
それぞれ見ていきましょう。
検証(テストプレイ)
テスターは主にリーダーが作成した「検証項目書」に沿ってテストを実施します。
検証項目書にはゲームのどの部分がどのように動作するのが正しいのか、どんな手順で操作するのかといった仕様が記載されています。
これに沿ってテストプレイを実施し、仕様通りの挙動をするか、ゲームとして違和感がないかなどをチェックしていきます。
ときにはキャラクターを操作して壁に向かって歩き続け、めり込んでしまわないか、通り過ぎてしまわないかを繰り返し確認するといった、根気のいる作業も多いです。
報告
見つけたバグは開発チームに報告します。
報告にはバグトラッキングシステムと呼ばれる、バグ管理用のツールを使用するのが一般的です。
エンジニアやデザイナーなどの開発担当者に、ゲームのどの部分がどうおかしいのか、それを再現するための正確な手順は何かなどを報告します。
バグだけでなく、ゲームをプレイしてどう感じたか、面白かったかなどの感想を求められることもあります。
修正確認
報告されたバグは開発チームで修正され、再度テスターに改修確認の依頼がきます。
実際に修正されたかどうかを同様の手順で確認し、問題なければ確認完了です。
修正できていなかった場合は「再発」ステータスとなり、開発チームに戻されます。
これら一連がテスターの主な仕事内容よ。
とくに検証項目書に沿って検証を行うことが、時間も根気も必要なメインの業務になるわね。
バグを見つけるのは大変そうだし地道な作業だけど、致命的なバグを発見できたらきっと嬉しいですよね。
チームの助けになるし、縁の下の力持ちって感じです。
自分が関わったゲームが発売されるという喜びを味わうこともできるわ。
ゲーム好きにはぴったりの仕事ね。
代わりに仕事中はテストプレイのためにずっと同じ姿勢だったり、細かい作業の繰り返しだったり。
テスターに向いているかどうかの適性も必要そうですね。
それじゃあ具体的に必要なスキルについて見ていきましょう。
ゲームテスターに必要なスキル
テスターに必要なスキルって、どのようなものがあるんですか?
下記の通りよ。
- 観察力、洞察力
- 集中力
- 粘り強さ
- コミュニケーション能力
- ゲーム開発に関する知識
- 当然ですが、ゲームが好きという気持ち
中でも、とくに筆者が大切だと思うものを紹介します。
観察力、洞察力
テスターにはゲームの挙動を確認し、おかしいところがないかを探す観察力が必要です。
彼らの仕事はバグを見つけること。そもそも不具合に気付かなければ、仕事ができないからです。
また、観察した箇所から派生して「ここもおかしくないかな?」、「もしかするとこっちは不具合になるかも・・・」とバグになりそうな箇所を見抜く洞察力も同様に必要です。
粘り強さ
テスターの仕事は根気のいる作業が多いです。
1日中壁に向かってキャラクターを歩かせたり、キャラのセリフに誤字がないかテキストを確認したりと、地道に検証を実施する必要があります。
そのため、これらを継続できる粘り強さは必須の能力です。
コミュニケーション能力
発見したバグはツールを使って報告する必要があります。
その際は相手に不具合内容をわかりやすく伝える能力が必要です。
時には開発メンバーから報告内容について質問が来ることも。
相手からの質問を正確に理解し、返答する能力も必要になります。
とくにテスターのリーダーとして活躍したい場合、このようなコミュニケーション能力は必須のスキルとなるでしょう。
ゲームテスターになるために必須の資格はない
賢者さま、テスターになるために必要な資格ってあるんですか?
必須となるものはないわ。
でも、バグの報告にはパソコンのツールを使用するし、検証項目書や仕様書はエクセルで書かれていることが多いわ。
パソコンを使った基本的な業務には慣れているといいわね。
ゲームテスターの年収
テスターの年収はどのくらいなんですか?
平均すると150~450万円前後ね。アルバイトでの採用も多くて、時給だと1000円からの募集が多いわ。
テスターチームをまとめるリーダーポジションの場合、年収500万円以上を目指すことも可能よ。
契約社員、正社員だと給料が高くなるし、フリーランスで優秀な場合はそれ以上の人も多いわ。
ゲームテスターの収入は、以前と比べ増加傾向にあります。
スマホゲームが大人気になったことで、多くの会社がゲームをリリースしています。
そのためテスターの人数が足りておらず、その分年収が上がることになったのです。
こちらの記事では、ゲーム業界の年収・給料についての相場を徹底調査しています。
よければ参考にしてみてください。
ゲームテスターのキャリアパス
ゲームテスターとして働いている人は、その後どういったキャリアを進むのですか?
主に2通りね。
ゲームテスターをまとめるリーダーポジションになるか、プログラマーやプランナーなど他の職種にキャリアチェンジすることが多いわ。
リーダーポジションになるには、ゲーム開発の知識やリーダーシップ、統率力などが要求されるわね。
開発チームのメンバーともより多く話すことになるから、より高いコミニケーション能力も必要になってくるわ。
他の職種にキャリアチェンジするというのはどういうことですか?
テスターの仕事は、ゲーム開発の仕事を経験したり、他の職種の勉強をしたりするための下積みとして利用する人も多いの。
実際ゲームの仕様を深く理解できるし、ゲーム開発の流れを知ることができるから、成長という意味でとても良い環境よ。
それにアルバイトとして入社して活躍できれば、契約社員や正社員になれる場合もあるわ。
このように次のゲーム業界でのキャリアに繋げるために、テスターを目指すということよ。
ゲームテスターのニーズと将来性
テスターは現在かなりニーズのある職種と言えます。
なぜなら、世の中にコンテンツがどんどん増えており、そのためテスターの需要が急激に増えているからです。
とくにスマホの普及によって、ゲームを遊ぶ人が増えています。
それに伴いスマホゲームを開発する企業も大幅に増加しました。
また様々な技術の進歩により、ゲーム以外にもたくさんのコンテンツが開発されています。
それらのほぼすべてが、検証を実施する必要のあるものです。
どんなコンテンツも、必ずテスターが検証をしないと発売できないですもんね。
どの企業も開発メンバーだけでテストするのは難しいわ。
やはり最後は検証のプロに任せる必要があるから、テスターの需要は高い状態が続くはずよ。
そんな中、近年話題になっていきているのが、AIの活用による検証の自動化です。
前述の通りニーズが非常に高い分、テスター人員のコストが高い状態が続いています。
自動化によってこれらのコストダウンを図れるため、今後本格的に検証の自動化が進み、一部テストは人間の手から離れる可能性があります。
実際筆者の勤めているゲーム会社でも、テスト業務の一部を自動化できないか動き出している分野があります。
しかし現状では人間に勝る自動化には至っていない状態で、当分の間はこの状態が続くと予想されます。
人間だからこそチェックできる分野は数多くあるわ。
それに、テストを自動化したり、それら一連を管理するためにも人間の手が必要よ。
だからテスターという仕事は、時代の流れに応じてより多様化していくと予想できるわ。
ある意味注目の仕事でもあるということよ。
テスターとしてキャリアアップしていきたい人は、今後のAIの動向に注目して、関連する知識を積極的に学んでいくといいかもしれませんね!
ゲームテスターには未経験でも転職しやすい
未経験でゲーム業界を目指す場合、ゲームテスターであれば転職はしやすいです。
前述の通り人手が足りないため、企業は積極的にテスターの人員募集をかけているからです。
また専門的なスキルが必須ではないため、ゲームに詳しければ採用される可能性が十分あるのも理由の1つです。
ゲームプランナーやゲームプログラマーの場合、ゲーム業界での実務経験が重視されるわ。
だから未経験での転職はハードルが高めなの。
そこでまずテスターになって、下積みとしてゲーム業界の経験やスキルを深める人が多いわ。
中にはテスターとして活躍しているうちに、新しくコネクションを広げて転職する人もいるわよ。
契約社員、正社員としての採用は転職エージェントの利用がおすすめ
契約社員や正社員としてテスターになるには、転職エージェントの利用がおすすめです。
ゲームテスターは基本的にアルバイトとしての採用が多いです。
しかし転職エージェントを使うと、契約社員や正社員を募集している企業を紹介してくれます。
それ以外にも下記のメリットがあります。
- これまでの経歴を確認し、「自分では気付いていないゲーム業界に役立てられるスキルや適性」を見つけてもらえる
- あなたに合ったテスター求人の紹介、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接日の調整や給与交渉などのやり取りといった、1人では大変な作業をエージェントにお任せできる
- テスターの最新の転職動向やトレンド、転職に関するあらゆる疑問点を面談の場で直接質問して解消できる
- 全て無料で利用できる
- いつでもサービスは解約できるため、担当と合わないなど問題があったらすぐ辞められる
もちろん契約社員や正社員の場合、フルタイムがほとんどのためアルバイトのように時間の融通は効きません。
そのため勉強しながらアルバイトとして稼ぎたいといった人は、バイトルなどのアルバイトを専門で紹介するサイトを利用しましょう。
現在筆者がテスターの転職でおすすめしているエージェントは「ワークポート」です。
IT・ゲーム業界に強い転職エージェントで、10年以上の実績があるからです。
2018年にはリクナビNEXT主催のアワードにおいて転職決定人数1位となる圧倒的な実績を持っており、その実力は確かなものです。
ゲーム業界に精通しているエージェントが多く、テスターに転職したい人にとっては強力なサポーターといえるでしょう。
まとめ
ゲームテスターという仕事について、よくわかりました!
テスターはゲーム開発においてなくてはならない存在よ。
根気の必要な仕事だけど、やりがいのある仕事なのは間違いないわ。
ゲームが好きな人にとっては天職ともいえるわね。
下積みとして経験するのにも向いていますしね。
転職活動、がんばります!
賢者さま、ゲームテスターってどういう仕事ですか?
名前は聞いたことあるけど、仕事内容や必要なスキルなどがよくわかりません。