ゲームディレクター。なんてロマンのある響きでしょう。
ゲーム開発の仕事の中でも花形ポジションで、開発現場のリーダー的な存在です。
将来はゲームディレクターとして面白いゲームを作りたい!という方は多いでしょう。
しかし、「ゲームディレクターになるには何をすればいいのか」、「どうすれば転職できるのか」、「そもそもどういう職業なのか」など、分からない方は多いと思います。
そこでこの記事では、現役でゲーム開発のマネジメントをしている筆者がこれらの疑問にお答えします。
ゲームディレクターになるにはスキルや経験が必要です。
しかし、逆にそれさえあれば需要が多いため比較的容易に転職できる職種でもあります。
ゲームディレクターを目指したい方は、ぜひこの記事を参考にしてください!
この記事の内容
- 1 ゲームディレクターとは、開発チームを束ねるリーダー的存在
- 2 ゲームディレクターの仕事内容は、「面白いゲームを作る」ための監督であり責任者
- 3 ゲームディレクターに必要なスキルは多岐にわたる
- 4 ゲームディレクターになるために資格を取る必要はない
- 5 ゲームディレクターの年収は平均よりも100万円以上高い
- 6 ゲームディレクターのキャリアパスの代表はゲームプロデューサー
- 7 ゲームディレクターは将来性の高い職業
- 8 ゲームディレクターになるには、とにかく実績とスキルが重要
- 9 未経験からゲームディレクターになるのはかなり難しい
- 10 ゲームディレクターの転職には、転職エージェントの利用がオススメ
- 11 まとめ
ゲームディレクターとは、開発チームを束ねるリーダー的存在
ゲーム会社や所属するチームによって異なりますが、基本的にゲームディレクターとはゲーム開発の現場を束ねるリーダーです。
ゲームの企画段階からプロジェクトの中心的存在として関わり、「面白いゲームを作る」ために開発チームを指揮します。
予算や開発費用などお金周りはプロデューサーが決定権を持ちますが、ゲームの面白さを決める最終的な決定権はディレクターにあることが多いです。
そのためやりがいもありますが大きな責任も伴います。
なお、ディレクターはプロジェクトに1人とは限りません。
たとえばスマホアプリで多いアイテム課金の運用タイトルに関しては、開発チームのディレクターと運用チームのディレクターなどで分かれる場合もあります。
ゲームプランナーが考えたアイディアも、最終的にはディレクターが責任を持ってOKを出すことが多いわ。
大きな責任とやりがいを感じられる職種ね。
ゲームディレクターの仕事内容は、「面白いゲームを作る」ための監督であり責任者
ゲームディレクターは開発チームを束ねる存在で、「ヒト・モノ・カネ」を駆使して面白いゲームを作るための監督であり、その責任者でもあります。
チームの様々な課題・問題にも対処する必要があるため、その仕事内容は多岐にわたります。
- 「ゲームの面白さ」を担保する監督であり責任者
- 企画の立案からゲームのリリースまでの開発ディレクション
- プロジェクトがスケジュール通りに進捗しているかを管理するスケジュール調整(プロジェクトマネージャーが担当することも多い)
- 開発現場のアサイン調整やメンバー評価などのマネジメント業務(プロデューサー、プロジェクトマネージャーが行うこともあり)
- クライアントとの折衝
- 運用タイトルの場合、イベントやキャンペーンの企画からリリース、その後の運用などのディレクション
- トラブルや不具合発生時の対処、意思決定
ゲーム会社やプロジェクトごとにゲームディレクターの仕事内容は多少異なります。
転職を検討する際は、求人情報をよく確認するようにしましょう。
プロジェクトの規模にもよりますが、リーダーとして全体を俯瞰的にチェックしていく立ち位置のため、自分で手を動かすことは少ないです。
それよりも、現場で起こる様々な問題に対処しながら、メンバーに適切な指示を出してゲームを作ることに集中します。
このように、ゲームディレクターの仕事内容は非常に広範囲で、かつ重要なものです。
すごく大変そうな仕事ですね・・・。でも、その分とてもやりがいがありそうです。
ゲームを開発するうえでゲームディレクターはなくてはならない存在よ。
スマホの普及によってたくさんの人がゲームを遊ぶようになったから、ゲームディレクターの存在は今後も重要になってくるわね。
ゲームディレクターに必要なスキルは多岐にわたる
ゲームディレクターの仕事内容は非常に広範囲のため、必要なスキルも多岐にわたってきます。
下記がその一例よ。
どのようなスキルが必要か、傾向を知る参考にすると良いわ。
- リーダーシップ
- コミュニケーション能力、協調性
- 幅広い分野に対する好奇心、向上心
- ゲーム開発に関する広範囲な知識
- ディレクション経験
- プレゼン力
- 分析力
- マネジメント能力
- ロジカルに説明できるスキル
- やりきる力
- そしてもちろん、ゲームが好きであること
その中でも、特に筆者が重要だと実感しているスキルをご紹介します。
リーダーシップ
ゲームディレクターにリーダーシップは必要不可欠です。
ゲームはチームで開発するため、メンバーが目指している方向がそれぞれバラバラだと、面白いゲームは作れません。
チームメンバーに対して適切なタイミングで、目指すべき姿や今後のビジョンを示すリーダーシップが必要です。
また、方向性を示すだけでなく、結果を出すためにチームをまとめて率いる統率力も、リーダーシップに含まれる重要な能力です。
ロジカルに説明できるスキル
ゲームディレクターは様々な職種・役職の人と話し、彼らを説得する必要があるため、ロジカルに説明できる能力が必要です。
わかりやすいように物事を整理して説明できなければ、相手を説得することはできないからです。
筆者の印象ですが、優秀なディレクターはほぼ全員がロジカルで、物事をわかりやすく伝えてくれます。
やりきる力
ゲームクリエイターには共通して必要な能力ですが、チームのリーダーであるゲームディレクターはとくに、「やりきる力」が必要不可欠です。
ユーザが面白い!と感動するゲームを作るのは、本当に大変なことです。
時にはスケジュールに間に合わせるため、遅くまで残業をしたり、不具合対応で精神的にも辛い状況の中難しい判断を迫られることがあります。
そのようなとき、現場のリーダーであるゲームディレクターが弱音を吐いてしまっては良いゲームはできません。
最後までリーダーシップを発揮し、結果を出すために粘り強く「やりきる」ことができるかどうかが、ゲームディレクターにとって非常に重要な能力となります。
とはいえ、これらを全て完璧に網羅する必要はないわ。
ゲーム会社やプロジェクトによってもゲームディレクターの立ち位置は異なるし、必要なスキルも多少変わってくるの。
ゲーム会社によって求めるポイントも違いますしね。
転職を検討する際は、求人票をしっかり確認しないとですね。
ゲームディレクターになるために資格を取る必要はない
ゲームディレクターになるために必要となる資格はありません。
開発現場のリーダーとして働く以上、資格よりもゲーム開発に対する深い理解や実務経験が求められます。
そのため、資格を取得してアピール材料を増やすよりも、ゲーム開発会社で経験を積み成果を上げることを優先すべきです。
強いてあげれば、ベストセラーになっているリーダーシップやマネジメントなどの本は読んでおくといいわ。
とくにプロデューサーや役員などと話す場では有用ね。
本に書いてあることをそのまま使う機会は少ないけど、そこで得た知識は知っている前提の「共通言語」として使われることがあるわ。
ゲームディレクターの年収は平均よりも100万円以上高い
CEDEC2017で実施されたアンケート調査結果によると、ゲームディレクターの平均年収は539.6万円となっています。
企業の規模にもよりますが、「400万~700万前後」というのが相場です。
全国の平均年収が1人当たり422万円であることを考えると、ゲームディレクターは100万以上高いことになります。
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は422万円(対前年比 0.3%増)であり、これを男女別にみると、男性 521万円(同 0.1%増)、女性 280 万円(同 1.3%増)となっている。
(国税庁:民間給与実態統計調査結果より引用)
ただし、ゲーム業界は個人の実力で大幅に年収が変わります。
中には20代で年収「1000万」を超えるゲームディレクターもいるため、実力によって差があるということは覚えておきましょう。
なお、こちらの記事でゲーム業界の年収・給料の相場を徹底調査しています。
よければ参考にしてみてください。
ゲームディレクターのキャリアパスの代表はゲームプロデューサー
ゲームディレクターのキャリアパスとしてもっとも多いのが、ゲームプロデューサーです。
ゲームディレクターは「ヒト・モノ・カネ」を駆使して面白いゲームを作ることに集中します。
対してゲームプロデューサーは「ヒト・モノ・カネ」を手配・管理し、プロジェクト全体を統括します。
ゲームプロデューサーはより高い視点でプロジェクト全体を管理する必要があるから、より責任の範囲は広い職種ね。
そのため、ゲームディレクターとして多くの経験を積み、より大きなプロジェクトで成果を上げていくことで、次のステップであるゲームプロデューサーへの道が見えてきます。
なお、ゲームディレクターやリードエンジニアなどを経験した人がプロジェクトマネージャーを担当することがあります。
実際に筆者も、ゲームディレクターからプロジェクトマネージャーを担当し、ゲーム開発に携わりました。
プロジェクトマネージャーは企業やプロジェクトごとに関与の方法やその度合いは異なります。
基本的にはゲームの開発以外のほぼすべてに関わる、ゲームディレクターやゲームプロデューサーのサポートに近い職種です。(プロジェクトマネージャーを立てないゲーム会社も多いです)
プロジェクトの予算管理や人員の調整、スケジュール調整、他部門との連携、開発環境の構築、外注企業とのやり取りなど様々な業務があります。
ゲームプロデューサーに近い業務も多いため、ゲームディレクターが経験しておくと多くの学びを得られる職種です。
そのため、キャリアパスの1つとしてオススメです。
ゲームディレクターは将来性の高い職業
ゲーム開発において、ゲームディレクターは今後も欠かすことのできない職種と言えます。
スマホの普及によりライトユーザがゲームを遊ぶようになり、ゲームの需要が一気に増加しました。
さらに、VRのように新たな技術が次々と家庭で楽しめるようになっています。
今後も技術の発展に合わせて、新しいゲームが提供されていくと予想できます。
そのため、面白いゲームを作るのが仕事のゲームディレクターは、今後も変わらず需要があります。
実際に、ゲームディレクターの求人は筆者の会社でも常に募集している状態です。
優秀なゲームディレクターはどの企業でも引っ張りだこよ。
ゲームを作るスキルは今後も無駄にならずに必要とされますからね。
自分の価値を高めることで、ずっと活躍できる職種と言えそうです。
ゲームディレクターになるには、とにかく実績とスキルが重要
ゲームディレクターになるには、ゲーム開発会社でゲームクリエイター(ゲームプランナーやゲームデザイナー、ゲームプログラマなど)として実績を積み、そこからステップアップするのが一般的です。
とくにプランナーからゲームディレクターへのステップアップが多いです。
プロジェクトの規模によっては、プランナーからリードプランナー(プランナーのリーダー)をまず経験し、次のステップとしてゲームディレクターになることもあります。
前述のとおり、ゲームディレクターになるには多くのスキルが必要よ。
だから、クリエイターとして企画力やデザインなどのスキルを伸ばすだけでは不十分ね。
リーダーシップを発揮して成果を上げたり、率先してメンバーをまとめあげて統率力を示したりなど、意識的に必要なスキルを伸ばすようにしましょう。
未経験からゲームディレクターになるのはかなり難しい
未経験の方がいきなりゲームディレクターになるのは難しいです。
前述の通り、ゲームディレクターは開発現場の監督としてチームをまとめる必要があるからです。
経験の少ない人には、メンバーもついてきません。
まずはゲームプランナーなどクリエイターとして働き、スキルと経験を積んでいく必要があります。
ただし、筆者の勤めるゲーム会社では、過去にWebコンテンツのディレクターを担当していた人がゲームディレクターになったことはあります。
前職で大きな成果を出した方や、チームをまとめるリーダーシップ・統率力などに優れた方であれば、ゲーム業界の経験がなくてもゲームディレクターに抜擢される可能性はあります。
未経験でディレクターへの転職を狙う方は、次の項で解説する「ゲーム業界に精通した転職エージェント」を活用し、転職を狙ってみると良いでしょう。
ゲームディレクターの転職には、転職エージェントの利用がオススメ
ゲームディレクターへの転職を目指すなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
ゲーム業界に精通したエージェントを使うことで、自分で進めるよりかなり効果的・効率的に転職活動が可能だからです。
実際に筆者自身も、転職エージェントを利用することで転職に成功し、年収も上げることができました。
優秀なゲームディレクターは常に需要のある職種です。
スキルや実績があれば、比較的簡単に転職できる可能性があります。
ゲーム業界は実力主義の世界だけど、スキルに見合った年収をもらえていないことも多いの。
転職エージェントを利用すれば、自分の価値を客観的に判断してもらうことができるわ。
あなたのスキルを評価してくれる企業へ転職できれば、年収を上げることも難しくないのよ。
それだけ需要のあるポジションなんですね。
他の業界から転職したい方も、前職のどのスキルがゲームディレクターに役立つかを判断してくれるわ。
うまく活用して、転職活動を有利に進めたいわね。
筆者のおすすめのエージェントは、「ワークポート」です。
ゲーム業界の転職に圧倒的に強いため、ゲーム業界未経験の方でも安心して利用できます。
登録は無料ですので、よければ参考にしてみてください。
まとめ
ゲームディレクターになるには多くのスキルが必要です。
そのためゲームクリエイター職の中でも難易度は高めです。
しかし、エンタメが無くならない以上ゲームディレクターの需要は常にありますし、その経験は何年たっても無駄になりません。
ぜひあなたも意識的にスキルや経験を積んで、ゲームディレクターを目指しましょう。
もし転職を目指す場合は、ワークポートなどの転職エージェントを利用し、効率的に転職活動を行いましょう。
おすすめの転職エージェントランキングトップ3で、筆者のオススメのエージェントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
いずれにしてもゲームディレクターは、ゲームの面白さを決定付ける大事なポジションなんですね。