当サイトのオーナーでゲーム業界歴は10年程。コンシューマーゲーム業界1社、ソーシャルゲーム業界2社を渡り歩いてきました。ちなみに現在は面接する立場でもあります。
- 特殊な専門スキル(デザインやプログラミング、プランニングなど)を一切持たないスキル0の完全未経験者がゲーム業界に転職する方法が分かる
- そんな完全未経験状態で転職してきた方々は、入社後どんなキャリアを歩んでいくのかが分かる
この記事をご覧になっている方は、ゲーム業界に少なからず興味を持たれている方だと思います。
ですがゲーム業界って「専門的なスキルがないと絶対に入れない業界」というイメージがありますよね。
確かに昔はそうでした。ですが、ソーシャルゲームが台頭し始めた頃から状況は大きく変わっています。
プロの職人集団だけでは、今のゲームを支えていくことはできません。
スキル0、実務経験0の未経験者でも、ゲーム業界で活躍できる場所は確実にあります。
だって私の周りにはスキル0の未経験状態で転職してきた人がわんさかいますから。
このページでは、そんなスキルを一切持たない方々がゲーム業界への転職を成功させるための7つの必勝法をお伝えしていきます。
内容の全ては、私が日々の現場から肌感で感じたことをまとめたものです。
これらの必勝法が少しでも役に立ち、皆さんがゲーム業界に転職することが出来ればこれほど嬉しいことはありません。是非参考にして下さい!
この記事の内容
スキル0の完全未経験者がゲーム業界に転職するための7つの必勝法
それでは早速必勝法をお伝えしていきます。
一つ目は心構えのようなものなので、転職活動をする際は2つ目以降のポイントに注目してください。
次の7つの必勝法を実践すれば、必ずゲーム業界への門戸が開くはずです。
- まずは「ゲーム業界に入り込むこと」を最優先に考えること
- 雇用形態は「契約社員」「派遣社員」もしくは「アルバイト」に絞ること
- 狙うのは「コンシューマー業界」ではなく「ソーシャルゲーム業界」
- 狙う職種は「企画アシスタント」or「運用スタッフ」
- デバッガーを選んではいけないたった一つの理由
- 本当にやりたいことはゲーム業界で職歴をつけてからでも遅くはない
- 転職活動は、必ず転職エージェントもしくは人材派遣サービスを利用すること
それでは一つづつ解説していきます。
【必勝法1】会社を選んでる場合じゃない!まずは「ゲーム業界に入り込むこと」を最優先に考えること
今回の転職活動では、とにもかくにも「ゲーム業界に入り込むこと」を何よりも最優先に考えて下さい。
会社を選んでる場合じゃないですし、お給料や勤務地も多少は目をつぶって欲しいです。
多少の条件は目をつぶってでも「入ることを優先すべき」ということですね?
その通りです。
何事も最も難しいのは外側から内側に入る瞬間です。
一度内側に入ってしまえば、あとは本人次第でどうとでもなります。
ここの目標(優先順位)がしっかりしていると、転職活動時に迷った際に取るべき行動が明確になってきます。
それでは次から、転職活動時のより具体的な方法を見ていきます。
【必勝法2】雇用形態は「派遣社員」もしくは「アルバイト」に絞ること!
転職活動時に希望する雇用形態は「派遣社員」もしくは「アルバイト」に絞ってください。
必勝法1でお伝えした優先順位の話と少し被りますが、特に雇用形態に関しては最初から明確に絞っていく必要があります。
理由は次の2つです。
- スキル0の未経験者に対して正社員または契約社員の募集はほぼ皆無だから
- 希望する雇用形態によって利用すべき転職サポート会社が異なってくるから
転職サポート会社の詳細は「必勝法7」で詳しくお伝えしますが、例えば「正社員を希望するならリクルートエージェントが強い」ですとか、「派遣社員ならマンパワーが有利」など、各会社によってその特徴が異なります。
皆さんの場合は正社員、契約社員の転職は限りなく低いですから、最初から派遣社員またはアルバイトに絞って、そこに強い転職サポート会社に一点集中すべきです。
転職サポート会社選びを間違わなければ、あとはタイミング次第ですぐに就職先が決まる可能性も十分にあります。
【必勝法3】狙うのは「コンシューマー業界」ではなく「ソーシャルゲーム業界」
単にゲーム業界と言ってもいくつか存在しますが、大きなくくりで分けると次の2つです。
- コンシューマーゲーム業界(ソニーや任天堂などの、家庭用ゲーム機を軸に展開している業界)
- ソーシャルゲーム業界(ガンホーやCygames、GREEなどに代表される、スマホアプリを軸に展開している業界)
そして、皆さんが転職活動する際はソーシャルゲーム業界に絞ってください。
理由は明確です。
専門的なスキルを持たない業界未経験の方でも、ソーシャルゲーム業界なら需要があるからです。
一方、コンシューマーゲーム業界ではそういった方(スキル0の方)の需要はほとんどありません。
それらの違いは「ゲームの運用作業があるかどうか」に尽きるのですが、運用についての詳細はまた別の機会にさせて頂ければと思います。
ただ、かいつまんで言うと、ゲームをリリース後(ロンチ後)に継続的な作業が発生するかどうか、です。(基本料金が無料のソーシャルゲームはロンチ後が本番ですからね)
皆さんが狙うべきは、運用作業のあるソーシャルゲーム業界一択です。
【必勝法4】狙う職種は「企画アシスタント」or「運用スタッフ」
この内容には少し驚かれるかもしれませんが、今回の転職活動で皆さんが成すべきことが明確であれば問題ないはずです。
皆さんが狙うべき職種は、「企画アシスタント」もしくは「運用スタッフ」が良いです。
企業やチームによってはこれらの呼び方は変わることもありますが、おおむね上記のような呼び方で呼ばれています。(他の呼び方だと「進行管理」や「ディレクター」などの名称で募集がされている場合もあります)
ですが、行う仕事内容はおおむね以下のようなな感じです。
例えば企画職(プランナー)が使用する資料作成のサポート業務であったり、毎月のゲーム運用の際に必ず必要になる各種資料や素材周りの作成、外部制作会社との折衝や進行管理などなど。
上記は一例ですが、このような作業は運用を行う全てのソーシャルゲームに発生することになります。
そしてこれらの作業こそ、専門的なスキルを持たない皆さんがゲーム業界に入り込める数少ないポジションとなります。
ちなみに、転職サポート会社に希望の職種を聞かれた場合、「企画アシスタント」や「運用スタッフ」の名称を出しても出さなくても、どちらでも良いです。
ですが「何としてもゲーム業界で仕事をしたい」という想いだけは必ず伝えるようにしてくださいね。
タイミングよく募集があれば、自ずと運用スタッフ系の職種を紹介してくれるはずです。
ただ、次でお伝えする「デバッガー」だけはNGですから気をつけてください。
【必勝法5】デバッガーを選んではいけないたった一つの理由
そういえばデバッガーはどうでしょうか?
僕の友達が「有名タイトルのデバッグ業務に携わってる!」って自慢されたことがあります!
デバッグ業務とは、製作中のゲームを実際にプレイし、予期せぬエラー(バグ)を発見する業務のことを言います。
その作業を行う職種のことをデバッガーと呼んでいます。
※最近はデバッグ部隊のことをQAと呼ぶケースも多いです。(QA = quality assurance)
結論から言うと、デバッガーはこのページをご覧いただいている皆さんにはおすすめ出来ません。
理由ですが、デバッガーはゲーム制作会社とは完全に別枠の存在であるため(そもそも所属する会社が異なることがほとんど)、ゲーム開発の中で、自身をアピールして作業領域を広げたり、キャリアアップやジョブチェンジをすることが、基本的に不可能だからです。
(デバッガーはどんなに頑張ってもデバッグ以外の業務はできないということです)
デバッガー部隊は大手ゲーム会社に出向するケースも多いため、ゲーム制作に携わっているという点では間違いありませんが、企画アシスタントや運用スタッフとは似て非なる職種(というか根本的に違う)という点は覚えておいてください。
またデバッガーの仕事は、ゲーム業界で仕事をしつつスキルアップしていきたい皆さんのような方にとって、キャリア的(職務経歴的)にもプラス評価にはなりません。
皆さんのゴールは、単にゲーム制作会社に出勤することではないはずです。
ゲーム業界を目指すからには、最終的には本当にやりたい職種を目指して欲しいですし、業界内でもキャリアもどんどん積み重ねていって欲しいです。
これらを実現するためには、デバッガーは少し系統が異なるという点は知っておいてください。
【必勝法6】本当にやりたいことはゲーム業界で職歴をつけてからでも遅くはない!
聞いていると、なんだか僕もゲーム業界に入れそうな気がしてきました!
ただ、僕は面白いゲームを作ってみたくて、ゆくゆくはプランナーになりたいと思っているのですがこのような場合はどうすれば良いでしょうか?
その想いは絶対に捨てないで下さい。
そして、そんな熱い思いがあるからこそ、今回の転職活動ではとにかく「ゲーム業界に入り込むこと」に全力で注力すべきだと思うのです。
一度入ってしまえば、その後のキャリアを積んでいくのは本人次第ですから可能性は無限大です。
いやでもゲームづけに日々になりますからね。
一年頑張ればゲーム業界での立派な職歴にもなりますから、次は業界経験者として転職することも可能です。
特にゲーム業界は人の出入りが激しいですから、おのずと作業領域が増えますし、やりたい作業にも徐々に携われるようになってくるはずです。
思いもしないポジションがいきなり回ってくるケースも多いです。
まずはきっちりと地に足をつけて、皆さんが今やるべきこと( =ゲーム業界に入り込むこと)を実践してください。
【必勝法7】転職活動は、必ず「転職エージェント」もしくは「人材派遣サービス」を利用すること
いざ転職活動をする際は、必ず転職エージェント、もしくは人材派遣サービスを利用するようにして下さい。
個人で直接企業に応募することももちろん可能ですが、書類審査がまず通らないです。
転職エージェントや人材派遣会社経由なら書類審査が通るってことでしょうか?
その通りです。必ず通る訳ではありませんが、その確率は格段に上がります。
その会社がソーシャルゲームを制作し続ける限り、定期的な運用スタッフの確保は必須です。(ゲーム業界は出入りが激しいため、規模が大きい会社であればあるほど補充すべき人数も多めです)
そのため、昨今ではほとんどのゲーム会社が付き合いのある転職エージェント、もしくは人材派遣会社を通して人材の確保を行なっています。
ですから、皆さんが取るべき最初の行動は転職エージェントもしくは人材派遣会社に登録するということになります。(おすすめのエージェントや会社はこの後お伝えしていますのでぜひ参考にしてください)
最後に、少し蛇足かもしれませんが皆さんが転職活動をする際のアドバイスを一つだけさせて頂いても良いでしょうか。
「たとえ1社がダメでも絶対に諦めないこと!」です。
この1社とは、応募先の企業(ゲーム会社)のことでもありますし、登録する転職エージェント(もしくは人材派遣会社)のことでもあります。
たとえ面接で落ちても失うものはありませんから、ダメなら次!と割り切って、たくさんの会社に応募してください。
そして、登録する転職エージェント(人材派遣会社)も同様です。
「あなたに紹介できる求人はありません」と言われても気にすることはありません。
単にタイミングが合わなかっただけです。
転職活動は巡り会いの要素がとても大きいですから、求人がある時は沢山ありますし、ない時は一つもありません。
なければ別のエージェントに登録すれば良いだけです。無料ですしね。
おすすめの転職エージェントと人材派遣サービス
ここでは、オススメの転職エージェントと人材派遣サービスを1つづつご紹介しておきます。
一番のおすすめはシリコンスタジオエージェントですが以下の2つを登録しておけば間違いありません。
シリコンスタジオエージェント
- ゲーム・エンターテインメント業界に特化した老舗の転職エージェント
- ゲーム業界に精通したコンサルタントが多数在籍
- 国内のゲーム会社のほとんどとつながりを持っているため求人数が豊富
- 人材派遣サービスも提供しており、柔軟に働き方を選べる
ゲーム業界にとても強いシリコンスタジオエージェントへの登録はマストです。
転職エージェントの場合、正社員求人のみの会社がほとんどですが、シリコンスタジオエージェントでは派遣社員の求人を取り扱っている数少ない転職エージェントです。
運用スタッフの募集頻度も高いため、今回の皆さんの転職活動に非常にマッチしています。
ゲーム会社に特化した転職エージェントですから、持っている求人数も段違いに多いです。
一番のおすすめです。
マンパワーグループ「JOBNET」
- 世界最大規模のマンパワーグループだから安心
- 人材派遣に特化しているため今回の皆さんの転職には最適
- 拠点は日本全国にあるから場所を選ばず仕事が見つかる
- IT業界にも強いからゲーム業界の求人も豊富
マンパワーグループが運営する派遣求人サイトの「JOBNET」。
マンパワーは言わずと知れた世界最大規模を誇る人材派遣会社ですから絶対的な信頼感があるのはいうまでもありません。
今回の転職活動では、皆さんは雇用形態を「派遣社員」もしくは「アルバイト」に絞っているため、人材派遣会社への登録は必須です。
その最有力企業がマンパワーです。
IT関連の求人数が圧倒的に多いため、ゲーム運用の案件を紹介される確率はかなり高いです。
シリコンスタジオエージェントと合わせて登録しておいてください。
【キャリアアップケース事例】スキル0・完全未経験で加入した後の2人の実例
このページの最後に、実際にスキル0の完全未経験で転職されてきた方の、その後のキャリア実例を2人ご紹介させて頂きます。
ちなみにそこそこの大手企業での実例です。
とにかくゲームが大好きだったAさんの実例
昔からゲームが大好きで「将来はゲーム作りが職業になればなあ」とずっと思っていましたが、専門スキルを勉強する機会もなく……
今は正社員としてプランナーをしています。
- スキル0の完全未経験の状態のAさんは企画アシスタントとして入社してきました。
- 彼のメイン作業は担当ゲームの運用ページの更新を日々行う作業でした。そのほかには、日々の運用で必要になる書類は発注書の作成であったり、外部制作会社との窓口役も行なっていました。(全て、専門的なスキルを必要としない業務です)
- Aさんが携わっていたタイトルは月に4回イベント※が行われる案件でした。
イベントとは、ゲーム内の決まった日時で定期的に開催される一種のお祭りのようなものです。一例ですが、ユーザー同士が得点などを競い合い成績に応じて何かしらの報酬を手に入れることができるなどが多いです。
- 4回のイベントにはそれぞれイベントオーナーという仕切り役のプランナーが存在し、そのプランナーの指揮のもと、イベントで必要なあらゆるものが作成されていきます。
- Aさんは長く勤めるにつれ、次第に仕切り役のプランナーからサポート業務を直接依頼されるようになり、たとえばゲーム内遷移図などのとても重要な仕事も任されるようになっていきました。
- あるタイミングでイベントオーナー(月に4回イベントがあるからオーナーも4人いる)に欠員が出てしまい、臨時としてAさんがイベントオーナーに大抜擢されることに!Aさんはもちろん二つ返事で承諾し、臨時イベントオーナーを務めることに。
- Aさんはイベントオーナーをそつなくこなし、その後もオーナー業を継続することになりました。
- Aさんはその後見事にキャリアアップを果たし、現在はその会社でプランナーとして仕事しています。
- 雇用形態は、最初は派遣社員として入社し、一年後にその会社の契約社員、現在は正社員として働いています。
FF7に憧れてゲーム業界を志したBさんの実例
今は正社員としてUIデザイナーをしています。
- スキル0、完全未経験のBさんは運用スタッフとして入社してきました。
- 彼女の作業は日々アイテム発注書を作成すること。(書類更新がメインのため、専門的なスキルは必要としない作業です)
※タイトルにもよりますがソーシャルゲームの月々の新規アイテム数って驚くほど多いんです - Bさんは2年後にはアイテム発注部隊のアシスタントチームのリーダーになりました。
- Bさんはもともとイラストを描くことが好きで趣味でたまに描いたりしていました。その頃、仲の良いクリエイティブチームのデザイナーと共に面白半分でゲームのキャラを描いていました。
- そのイラストがプランナーの目に止まり、そのキャラがなんと実際にゲーム内で採用されることに!
- Bさんはその後も継続してイラストを描き続け、徐々にクリエイティブチーム内での仕事量が増えていきました。そして現在はクリエイティブチームの正規一員として仕事をしています。
(見事なキャリアアップですが、もちろんそこに至るには相当な努力があったものと思われます) - ちなみに最初は派遣社員で入社し、一年後に契約社員、現在は正社員として働いています。
上記の2例は、私が所属している会社で実際にあった話です。
とはいえ、すごいレアケースという訳では決してなく、本当にありふれた光景です。
特に企画アシスタントのポジションはプランナーと日々近しい距離感で仕事をしているため、アシスタントから正規のプランナーへとステップアップしていく人はとても多いです。
デザイナーやエンジニアへのキャリアアップはさすがにレアケースですがBさんような例も決して0ではありません。
以上、2人の実例をご紹介させていただきました。
皆さんのイメージが少しでも膨らめば嬉しい限りです。
まとめ
「スキル0の未経験者がゲーム業界へ転職するための7つの必勝法」いかがだったでしょうか。
この記事が、皆さんのゲーム業界転職への第一歩となればこれ以上の喜びはありません。
明日の日本のゲーム業界を、同じ業界人として盛り上げていけたら嬉しい限りですね。
最後に一言。
あとはもう行動あるのみです。
登録した転職エージェント・派遣会社と積極的にコンタクトをとって、とにかく前に進んでください。
皆さまの成功をお祈りしています!
僕はそういったスキルや経験が全くないので完全に諦めていましたけど。。
こんな僕でもゲーム業界に入れるのでしょうか?